政進会 鹿児島視察レポート 平成25年6月

鶴間秀典

行程
6月25日(火)〜6月29日(土)
訪問先 縄文杉、屋久島世界遺産センター、屋久島環境文化センター、
屋久島超役場、学校法人大和学園高千穂幼稚園、クレインパーク出水

6月25日(火) 移動日
釧路空港→羽田空港→鹿児島空港→屋久島空港
今回の視察は政進会2名(松永、鶴間)、市政クラブ2名(金安、大澤)の合計4名で視察に行かせていただきました。

6月26日(水)
縄文杉関連視察「縄文杉周辺の自然保持や観光客の入域管理について」
屋久島は昔から、将軍へ献上するための木を切る島で、火山活動でできた岩の上にちょっとづつ土が積もってできたやせた土地に杉が生えると、年間に少しずつしか大きくならず、それが強く硬い幹になる理由であり、その木に年間500 日降ると例えられるほどの大量の雨が降り注ぐことによって、縄文杉のような巨木が生まれるそうです。また、屋久杉には樹脂が多く含まれるため、腐りにくく、これが長寿になる理由だそうです。
この日は、縄文杉のある屋久島の中心部まで約10時間歩くというコースで、ガイドをお願いしました。ちなみにガイド料金は4名で3万円。一人に 12,000円かかるガイドもありましたから、お得なところを選べたと思います。ガイドは大阪からきている 20 代の青年でした。雨の中、屋久島のホテルを朝5時に出発し、縄文杉に行くために必ず乗らなくてはいけないシャトルバスに乗り、入域。シャトルバスの乗車料金が入域料金のようなものでしょう。バスの終点にビジターセンターがあり、そこで雨宿りをしながら朝食。朝食と昼食はホテルで用意していただいたもので、さっと食べて出発。最初は木材を切り出すのに使っていたトロッコの軌道を歩きます。今は救護用にたまに使っているそうです。昔、林業関係の人たちが住んでいたという村の跡を通り、大きな川にかかった手すりのない橋を渡りながら、トロッコの終点まで約 3 時間、そこで束の間の休憩をとり、縄文杉に向けて登山。途中、ウィルソン株(巨大な杉の株が残ったもの)や二代杉、三代杉などを通りながら、濁流を横切り上へ上へ。かなり木が太く大きくなってきたと思ったら、世界自然遺産のエリアに入りました。屋久島は、中心部が国立公園に指定されていますが、さらにその中でも限られた範囲が世界自然遺産エリアに指定されています。

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出発前の4人。まだ元気です。 手すりのない橋。下は濁流です。
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花崗岩の上に土が薄く乗っています。
屋久島の代表的な地層です。
トロッコの軌道を歩きます。

途中、松永さんと金安さんが先に降りる、と弱音を吐くぐらい、かなり急な山の道のりでした。そんな険しい道を進み、やっとのことで縄文杉にたどり着きました。一目見たそれは、上のほうに霧がかかりすごく神秘的であり、想像以上に巨大で、まるで岩の壁かと思わせるほどの大きさと迫力。思わず手を合わせて辿り着き、拝見させていただいたことに感謝しました。この島には古くから山岳信仰、巨木信仰があったと聞きましたが、圧倒されるような気持ちを感じ、これは誰でも崇めたくなる、と感じました。
過去に、世界自然遺産に登録される前、この縄文杉を見に、登録するかどうかを決めるユネスコの評議員がここまで来た、と聞きましたが、歩いた末に、この圧倒される縄文杉を見せられたら、何も言えなくなったんじゃないかな、と想像してしまいました。それぐらいすごいものでした。
帰り道も土砂降りの雨の中で、その中で昼食を食べましたが一瞬にして弁当が水浸しになりました。後で気づきましたが、私たちは、朝食用と躊躇供養の弁当を間違えてしまっていたようです。6月ですから雨は覚悟していましたが、こんなに降るとは。でも、屋久島では、これが普通らしいです。帰りのトロッコの軌道は、川になっていました。私たちがこの日バスに乗った最後のメンバーだったようですが、予定より長い、約12時間の道のりとなりました。ただ、4人無事に歩いて帰ってこれてよかったです。
ガイドさん、そして屋久島の自然に感謝いたします。

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宮崎駿さんが長く滞在し、デッサン
を描いていたそうです。
「もののけ姫」にでてきましたよね。
ところどころに説明書きがあります。
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ウィルソン株の中から空を見上げると、ハート型に。 大王杉にて
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枝と枝がつながってます。
まさに連理の枝。
濁流を横切って進みます。
H260625-11 これが縄文杉。大きすぎて写真におさまりきれませんが。本当に神秘的でした。
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滝のように雨が降ってました。 無事に帰れました。

 

6月27日(木)
屋久島世界遺産センター「屋久島保護管理計画について」
島の人口約 13,500 人、面積約 50,000ha、国立公園 20,989ha、世界自然遺産登録地 10,747haとなっています。

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釧路にいたという、環境省自然保護官の加藤君から説明を受けました。 何時間も説明を読んでいたいような、展示パネルでした。

屋久島は、海抜0mから、一番高い宮之浦岳 1,936mまで高低差があり、また冬は山の上のほうで雪が降り、その生態系の多様さは世界でも稀だそうです。
阿寒湖も「マリモの生息する阿寒湖」で世界自然遺産登録を目指していますが、これは、マリモを中心とした生態系、湖沼群、のことであり、日本にある四つの世界自然遺産のうちで、この屋久島が「縄文杉を中心とした生態系」ということで、一番阿寒湖のケースに近く、参考になると私は考えています。
屋久島が世界遺産に登録された経緯は、それこそユネスコの世界自然遺産がまだ日本では知られていなく、日本に導入を考えていた時に、当時の環境省の保護官が「屋久島がいい」ということで申請し、登録されたそうです。当時は簡単だったみたいですが、今は自然遺産は登録されるまでには、高いハードルです。ただ、屋久島は今から登録しようとしても合格でしょう。それだけの絶対的普遍的な価値があると感じました。また、新聞で屋久島のオーバーユースの記事を少し読んだので、それについて聞いてみましたが、現時点で自然が破壊されている、という事実はあまりないそうです。過去に縄文杉に落書きした人はいましたが、それで自然遺産が取り消されるという状況には至っていないそうです。

屋久島環境文化村センター「屋久島文化村構想について」
屋久島文化村構想について説明をお伺いするため、屋久島環境文化村センターに行ってきました。ここは、鹿児島県の外郭団体である、屋久島環境文化財団が運営する施設で、研修やエコツーリズムなどに対応しています。
やはり県がしっかりとこの自然遺産についてサポートし、計画や構想を立てながら進めてくれることが自然保護にも、自然を見せることにも必要であると感じました。
また、ここでは、「屋久島ファンクラブ」という年会費 2,000 円の制度を運営していました。現在 868 人の会員で、やりようによっては、阿寒湖ファンクラブもいけるんじゃないかな、と感じました。

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屋久島文化村センターの前で。 屋久島町役場にて。

 

屋久島町役場宮之浦支所
「観光振興、自然保護、世界自然遺産登録への住民運動等」
屋久島町役場へ行き、いろいろなテーマでお話をお伺いしました。町としては、観光客数がリーマンショック以降減り続けているので、それを持ち直すためにはどうするか、ということを主に考えていました。環境省とは、正反対な気がして、面白く感じました。ただ、ガイドなど、本州から来て儲けている人が多いようで、地元島民との差が開いており、少し問題だと言っていました。
また、世界自然遺産登録に対し、町はあまり苦労しなかったらしく、当時は住民が登録目指して運動した、という感じではなかったそうです。
この屋久島は、国、県、町が役割を分担して、自然を守り、観光を振興しているのだ、とわかりました。

6月28日(金)
学校法人大和学園高千穂幼稚園「ヨコミネ式学育について」
プロゴルファーの横峰さくらさんの親せきがすごい幼児教育をしていると聞き、その方式を取り入れた幼稚園を視察してきました。
その幼稚園の園児たちの姿を見て、驚愕しました。

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廊下で逆立ちと前転をやっています。 柔軟性も並みじゃない。
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こんな跳び箱、小学校中学年ぐらいでしたよね、跳んだの。 背もたれのない椅子。
集中力がつくそうです。

こんな小さな子どもたちが、みんな運動神経抜群で、しかも挨拶もしっかりでき、素直で、元気で、積極性があって、褒めたらきりがないくらいでした。私も見習いたい。どうやってこんな教育をしたのか。すばらしいです。遠方からもこの幼稚園に通わせたくて送り迎えしている父母が結構いるそうです。
釧路の幼児教育に取り入れられないだろうか。行政じゃ「危険だ」という理由で取り入れないでしょうね。でも、すごい幼稚園でした。この先が楽しみです。

クレインパーク出水「ナベヅル保護、鳥インフルエンザ対策について」
鶴を通した釧路市との友好都市である、出水市に行ってきました。
出水に飛来するナベヅルは昭和27年に「鹿児島県のツルおよびその渡来地」として特別天然記念物に指定されました。もともと鶴は将軍の権威の象徴とされ、禁漁とされてきました。明治に入り、乱獲により数が減ったり、昭和40年代の農薬の多量使用により、変死したり、かなり渡来数に増減はあったものの、現在その数約1万羽、マナヅルも2千羽飛来しています。春から夏にかけて、ロシアのアムール川流域に生息し、越冬のため、出水に飛来するそうです。国67%と県10%、市23%で、ツルの飛来する水田を冬の間借り上げ、保護しています。
平成22年、ナベヅルの鳥インフルエンザでの死亡を確認。すぐに監視体制を取り対応しました。その経験から、鹿児島県ツル保護会などが協力して、高病原性鳥インフルエンザ対応マニュアルを作り、初動体制や消毒体制、監視体制などを明記しました。釧路市でも鶴専用のマニュアルが必要かもしれません。
日本各地の鶴について、こうして学ぶ機会というのは非常に貴重だと感じました。出水市の渋谷市長はじめ、歓迎していただきました皆様に感謝いたします。

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出水市渋谷市長、わざわざ私達に挨拶に来てくれました。 ツルの保護について説明を受けています。

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