市政進クラブ 平成28年11月 道東視察レポート

期間:平成28年11月24日(木)〜25日(金)
議員:松永征明、鶴間秀典、大澤恵介
視察責任者:鶴間秀典

11月24日(木)
11:00〜12:00 別海バイオガスプラント
別海町に日本最大の家畜糞尿を利用したバイオマスプラントがあるというので、視察に行ってきました。
三井造船や別海町、農協などが出資して、約24億円(国からの助成金7億円)かけて建設し、96戸の農家から、家畜排せつ物を集めています。計画で
は家畜排せつ物1日280トン(スラリー2割、堆肥8割)、産業系食品残渣1日5トンで、売電収入4億円だそうです。計画通りにいけば、運営経費が約2億円、減価償却1億円、利益が1億円ぐらいだそうで、希望する農家も多く、今年ぐらいから収益が出てきそうだということでした。55度の高温発行により、雑菌が完全に死滅し、良質の消化液や再生敷料が得られ、それを契約している農家に還元しているそうです。片道で15kmが収集の限界だそうで、それ以上だとコストがかかりすぎるので、別海町内にあと2か所建設予定だそうです。農家も運送料はかかりますが、その分の手間が省け、とても喜ばれているようでした。さらに、町や農協としても出資だけなので、リスクも少なく、かなり有効な方法だと思います。

釧路市でも、阿寒や音別に一つずつ早急に作るべきと感じました。

匂いのない液肥とたい肥かす 別海バイオガス発電

14:30〜17:00 弟子屈町役場
「空き家バンク」
弟子屈町で空き家バンクが実績を上げていると聞き、視察させていただきました。
弟子屈町では空家率が3.38%、219棟あり、そのうち47棟が管理不行、15棟が特定空家になっているそうです。空き家バンクは219棟の中の管理不行や特定空家ではない空き家の中から、宅建会社などと一緒に空き家対策協議会を設置し、ホームページや固定資産税納付書にチラシを同封するなどの方法で周知しています。売買や賃貸などの契約は宅建会社が行うのですが、町を通すことにより、信頼度が増すそうです。町ではさらに改築に対する補助も上限50万円で用意しており、波及効果も高いそうです。
やはり釧路市でも空き家バンクが早急に必要だと感じました。

弟子屈町役場にて  道の駅のデジタルサイネージ

「旧教職員住宅と廃校舎の活用」
閉校になった学校の校舎と教職員住宅を地域で活用している事例を視察させていただきました。
旧昭栄小学校という南弟子屈にあった学校で、地域や経済界などが協力して南弟子屈活性化協議会を設置し、地域おこし協力隊2名も活用して、旧教職員住宅をまずはライダーハウスなどに改築し、受け入れを行っていました。旧昭栄小学校の校舎も耐震性があるということで、いろいろと活用できそうでしたが、将来的にはやはり難しそうな感じがしました。
釧路市でも阿寒地区に3校の廃校舎がありますが、耐震性がないので活用も難しそうな感じですが、何かできることを地域と一緒に考える必要はあると思います。

「道の駅摩周温泉」
全国的にも有名で、くつろげる道の駅として道内NO.1の評価を誇る、道の駅摩周温泉を視察させていただきました。
近いので何度か行ったことはありましたが、今年道の駅サミットが弟子屈で行われたこともあり、デジタルサイネージやアイヌ刺繍などの展示が追加されるなど、かなりグレードアップして、本当に雰囲気がいい感じがしました。売店の品物は売りたい人が持ってきて、10%をテナントの会社に納める方式だそうで、マンゴーや地元の野菜、時期によっては摩周メロンなども並ぶそうで、特産品の発信基地になってるそうです。また、テナントから賃料を町が頂いているそうで、うらやましい限りです。
阿寒の道の駅も、くつろげるスペースがもっとあればいいかなとも思いますが、特産品を販売していく仕組みもさらに作っていくべきと感じました。

11月25日(金)  9:00〜12:00
「温泉熱を利用したマンゴー栽培」
弟子屈町で温泉を利用し、マンゴーを栽培し出荷が始まるというので、視察に行ってきました。建設費は3億2000万円で国からの助成金が2分の1、他に維持管理費などで合計5億円ほどかかっているということでした。マンゴーは寒さに弱く、温泉が止まったりして温度が氷点下などになると枯れてしまうということで、毎日泊まり込みで仕事をしていました。本州が端境期の時期に出荷できるよう調整しているそうで、出荷後はかなり高値で取引されるそうです。
北海道でのマンゴーチャレンジ、並大抵のことではないですが、すばらしい可能性を感じました。釧路市でも阿寒湖温泉などの温泉熱をこのような高付加価値の果物などに活用してみてはどうか、と感じました。

マンゴーは熟すと自然に落ちるそうです  ぶどう畑

「ブドウ栽培」
弟子屈町で池田町からぶどうの苗を仕入れてワインを作ろうとしていると聞いて、視察させていただきました。
まだ4年ほどで、山幸というぶどうの種類を植えており、木は600本、ワインは200本ほど昨年できたそうです。町の職員がやっているそうですが、まだまだこれからという感じでした。でもこういう夢のある事業もいいかな、と感じました。
釧路市でも民間支援などにより、ワインの製造ができるといいと思います。

「温泉熱を利用したシイタケ栽培」
温泉熱を利用して、シイタケを栽培している障害者施設があるときき、視察させていただきました。
ハウスが2棟で下に温泉のパイプを這わせていて、1棟1000万円ほどしたそうですが、国から半分出ています。温泉の熱だけでは冬は足りないということで、ボイラーも用意していました。施設の利用者の皆さんはかなり一生懸命シイタケを作っているそうで、アルコール依存症の人が一滴もお酒を呑まなくなったり、精神的に落ち着いたりする効果があるそうです。
やっぱり人間には野良仕事が必要なんだと思います。釧路でももっとやるべきだ。

シイタケのおがくず菌床  ヒートポンプシステム

14:00〜16:00 ほっかいどう新エネルギー事業組合
「ミルクヒートポンプシステム」
牛の乳の熱量を利用して、それを冷やす際に出る熱を回収して、水を加熱し、その温水を牛舎の清掃などに活用できる、ミルクヒートポンプというシステムがあるということで、視察させていただきました。
購入の際に国からの助成金が3分の2ほど頂けるそうですが、それでもなかなか導入が進まないそうです。灯油と電気の差額が縮まり、効果額があまりなくなったからだそうです。二酸化炭素削減に寄与するものですが、なかなかうまくいきませんね。

「ビニールハウスによる水耕栽培」
これもヒートポンプの仕組みを活用し、国からの助成金を頂きながら1棟3000万円ほどのビニールハウスを2棟建設して、サラダ野菜などを中心に通年出荷していました。ヒートポンプの熱量だけでは冬場は足りないそうで、ボイラーも設置していました。ハウスの形など、もう少し研究が必要かもしれません。

水耕栽培  シイタケ工場

「シイタケ生産施設」 なかしべつ菌床栽培協同組合
廃校を利用し、グラウンド部分に新たに気密性の高い断熱のビニールハウスを建て、かなり大がかりに「想いの茸」というブランドのシイタケを栽培していました。出荷の半分は釧路に出しているそうで、我々がいつも口にしているものでした。雇用も50人ほど生み出しているそうで、菌床の生産から製品化までを行っており、シイタケ栽培はある程度安定しているようでした。
釧路市の廃校舎もこういう使い方がいいのでは、と感じました。


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