市政進クラブ(鶴間単独)平成28年11月九州視察レポート

日程:11月7日(月)~11日(金)
視察先:福岡県宗像市、大分県杵築市、大分県別府市、福岡県糸島市、佐賀県伊万里市
視察者:鶴間秀典

11月7日(月) 15:50~17:00
1 福岡県宗像市 道の駅「むなかた」
福岡県宗像市の道の駅「むなかた」が民間の経営で、開設当初から黒字であり、市に対して賃借料を支払っている、と聞いて、視察させていただきました。
開設は平成20年、6億5000万円をかけて建設し、その後2億円をかけて新館を作っています。福岡市から30分ほど、北九州市からも1時間ほどと立地条件もよく、玄界灘も見渡せて、非常にいい場所にありました。ただ、こんなに繁盛すると予想していなかったらしく、駐車場が狭いそうです。私がお伺いした時間は空いていたのですが、あとでわかったことは、午前中にほとんどの商品が売り切れてしまい、午後はお客さんが来ないそうです。わが町の道の駅と比べるとなんて次元の違う話だろう。売場面積もスーパーのように広いのに。売場には朝漁師の皆さんが、とれたての魚を並べに来るそうです。漁師さんの最高売り上げで5400万円、1000万円以上の売り上げの方も40人以上入らっしゃるそうです。また干物などの加工品にすると付加価値がついてまた売れるそうです。本当に地域経済に役に立っている感じがしました。売り上げも順調に伸び、来館者数も伸びているのですが、客単価が伸びているのが努力の証だと思います。
ただ、最近はその利益を察知して政治家が触手を伸ばしているそうで、運営している株式会社道の駅むなかた、には天下りで市の職員が2年続けて入ってきたり、利益の3分の1を寄付しなくてはいけなくなったりしているそうです。民間から第3セクターに移行する悪い事例になるかもしれません。
釧路市でも、現在の第3セクター的な運営ではなく、具体的な目標をしっかり掲げられるような民間の運営者に移行すべきである、と感じました。

   
道の駅むなかた  ブランド化した地元の醤油

 

11月8日(火) 9:00~10:00
2 大分県杵築市「スクールバス一般乗車」
杵築市でスクールバスに一般市民が混乗している、というお話しをお伺いし、視察させていただきました。杵築市は3市町村が平成17年に合併してできた町で、その後学校の統廃合が進み、国からの補助も得ながら、山香中学校への通学のため、過疎地域へのスクールバスを走らせているそうです。夕方の帰宅時は時間が固定されていなかったり、他のコミュニティーバス等も利用できるため、朝の通学バスのみ一般市民が乗車可能で、それに乗って無料で病院等に行けるようになっています。ただ乗車できるのは高齢者や障害者等、市が要請に応じて認定した方のみで、その方に「スクールバス乗車証」を交付し、提示してもらっているそうです。登録者数は合計で58名、利用状況は平成27年度で延べ108名、かなり少ない状況にありました。
釧路市公共交通再編計画の中に入れられれば、と考えましたが、実情などを踏まえる必要があると感じました。​

   
 杵築市役所にて  別府市の災害対応について

 

11月8日(火) 15:00~17:00
3 全国若手市議会議員の会 研修①
別府市別府公会堂「別府における熊本地震への対応と復興政策について」
熊本地震の際、陣頭指揮を執った別府市長の長野市長にお話しをお伺いすることができました。
別府市は被害の大きかった熊本からは離れていますが、本震の際は大分県中部も震源地となり、4月16日1:25に震度6弱を記録しています。ただ死者がでなかったことや全壊家屋が4棟と少なかったこと等が幸いしたそうです。揺れの後、すぐに市長が市役所に駆け付け、災害対策本部を設置し、被害状況の把握や避難所の開設、自衛隊派遣要請、罹災証明書発行体制の整備などを行ったそうです。対応は迅速でありましたが、市民からはそれでも、遅い、と言われたそうです。福氏避難所の設置や要支援者の避難支援、ペット連れの避難者対応などへの課題や、避難所の運営を市民が行うことの取り決めの必要性、物資の分配、市民との役割分担、議員の動きなど、行政が日ごろから行っておいた方がよいことや、議員の役割、他の自治体職員の支援など説明いただきましたが、特に強調していたのは、市民が避難所を運営することの必要性でした。いち早くこの取り決めをすべきということでした。
また、別府は世界的な温泉地ということで、地震の後はキャンセルが11万件も来て、被害総額が13.7億円に達したそうですが、国のふっこう割などの支援を受けながら観光関係者とともに行った、GO!Beppuキャンペーンがすばらしい効果を発揮し、震災前よりもお客さんが来ていただけるようになったそうです。その際に製作したCMは面白いものばかりでした。
震災時の対応だけでなく、リーダーシップの必要性も学ばせていただきました。

議員の災害対応について

 

11月9日(水) 10:00~12:00
④全国若手市議会議員の会 研修②
別府市別府公会堂「熊本地震を通して考える、災害時における地方議員の役割とは」
若手市議会議員の会のメンバーで、被災した自治体の中で行った活動についてお話しいただきました。
住んでいる自治体が被災した際には、議員は議員としてあまりすることがなく、一市民としてなるべくなら地域のリーダーとして、活動すべきだということでした。被災直後は行政も機能が失われており、議会議員が意見を届けてもそれに充分に対応できないだけでなく、議員が要請などを行うことにより、他の対応ができなくなり、邪魔になることが多々あるそうです。それよりも、市民や行政と一緒に活動し、時には行政ができない避難者からのクレーム処理や慰労のために来る芸能人への対応、避難所運営の手伝いなどすべきであるということでした。
災害対策本部の組織の中にも入れず、議員って、ちゅうぶらりんな立場ですね。

フォーレストアドベンチャー 高さの恐怖とクリアの喜びはすごい!

 

11月10日(木) 9:30~11:45
4 フォーレストアドベンチャー 糸島
自然を生かしたアクティビティーとして現在かなり人気が高まってきている、フォーレストアドベンチャーを体験してきました。元々はフランスでリスクマネジメントの企業研修用として広まったものだそうで、一般にも開放したら大人気で、日本に上陸して10年現在全国に20カ所以上あり、日本でもまだまだ広がっていきそうな感じだそうです。私の行った糸島は、福岡から1時間ほどの山奥にあり、元々は市の公園で、利用が少ないので運営をこのフォーレストアドベンチャーに委託したそうで、市には賃借料も支払っているそうです。コースは大人向けのアドベンチャーコース3,600円、家族向けのディスカバリーコース3,000円、子供向けのキャピノーコース2,100円などがあり、私もアドベンチャーコースに参加させていただきましたが、命綱一本で地上15メートルの木と木の間の難しいアクティビティーを進んで行くのは本当に怖く、楽しい、思い出に残る体験でした。年間で約3万人のお客様が訪れ、単価は3,000円ほどだそうです。設計施工に5000万円ほどかかったそうで、毎日施設用具の点検等を行い、精密な点検も毎年行っているそうです。正職員11名とアルバイト数名で運営しているそうで、採算は十分とれるのですが、人員の確保が課題だそうです。
全国的には山梨の方の国立公園内にもあるそうで、阿寒国立公園でも今後の満喫プロジェクトを進める上で魅力アップのために必要な施設であると感じました。

 

11月10日(木) 15:30~17:00
5 佐賀県伊万里市「伊万里はちがめプラン」
生ごみの資源活用を市民で行っている取り組みとして非常に有名な、伊万里はちがめプラン、を視察させていただきました。
発端は、飲食・旅館の有志が、生ごみを捨ててゴミとして燃やすのはもったいない、ということに気付いて取り組みを始めたそうです。伊万里市では1トン当たり34,000円かけて燃えるゴミを焼却し、1年間3億5000万円になるそうです。また焼却灰も2,000トンでるそうです。燃えるごみに含まれる生ごみは約40%、生ごみの80%は水分で、それを分別することにより、化石燃料の節約につながります。
はちがめプランでは、契約した71企業や250世帯から年間約500トン生ごみを回収し、補助金などをいただきながら自前で生ごみたい肥化プラント等を所有しており、理事長自ら自分の仕事の合間を見て作業していました。菜の花プロジェクトは大きくやるのは一旦中止しているそうです。こと取り組みには佐賀大学も協力しており、JICAなど海外からの視察も多いそうです。また、地域通貨も独自で発行し契約者に提供し、契約企業で使えるようにしており、企業はその費用を販売促進費として計上できるそうです。ここでも循環の形ができていました。
阿寒などのホテルで出る生ごみの循環に役に立つかと思いましたが、はちがめプランも運営において、先駆者として毎年助成金をいただき、理事長自ら無報酬で働くことにより成り立っていますので、かなりな想いがないとできないことかな、と感じました。団体単位ではなく、釧路市全体として制度化できれば可能ではないか、とも感じました。

たい肥化プラント 集まった生ごみ

 

11月11日(金) 9:00~11:00
⑦佐賀県伊万里市「市民図書館の取組」
「日本一のうちどく推進のまち・いまり」
釧路市の新図書館が2年後にスタートするので、まちの知的中心として、市民と一緒になった図書館について学びたいと思い、伊万里市民図書館を視察させていただきました。図書館では館長に加え、図書館開設に向けて市民運動を展開した伊万里市の議長も一緒に説明してくれました。
伊万里市では図書館がオープンする前に5年ほどかけて、市民との意見交換、図書館づくり伊万里塾の開催、設計者との議論などを行っています。建設中も市民が視察し、携わった市民は図書館開設時に用意されたプレートに名前が刻まれています。図書館は総事業費23億6480万円、国のまちづくり交付金が16億円の地方債の70%に充当されています。一人当たりの貸し出し冊数も多く、市民に親しまれていることが分かります。市からの職員以外は全員図書館司書の資格を持った嘱託職員で、18名体制でした。蔵書は46万冊、閉架書庫がガラス張りでオープンになり、いつでも借りられるそうです。階段式の朗読室は公共施設とは思えない斬新な作りで、建築家の想いが込められている気がしました。ちなみに伊万里市は家族で寄り添いながら読書をするという、「うちどく日本一宣言」をしています。
議長は私に、図書館条例の第1項を自分たちの想いをこめたものに改正しなさい、と言いました。そこから始まるような気がします。市民と一緒に新しい図書館づくりをがんばりたいと強く思いました。

伊万里市民図書館自慢の朗読室 特集コーナーが40か所以上も

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